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谷元工務店 二代目社長物語

  • 序章 家を継ぐつもり…。しかし…。
  • 二章 父に弟子入り
  • 三章 困難な毎日
  • 四章 転機、そして二代目誕生
  • 終章 そして、今

目次

  • 谷元工務店「二代目社長物語」 序章 家を継ぐつもり…。しかし…。
  • 谷元工務店「二代目社長物語」 二章 父に弟子入り
  • 谷元工務店「二代目社長物語」 三章 困難な毎日
  • 谷元工務店「二代目社長物語」 四章 転機、そして二代目誕生
  • 谷元工務店「二代目社長物語」 終章 そして、今

「二章」父に弟子入り

決めるのは今しかない。30才がラストチャンス。

一方で父(初代社長)はというと、仕事もバリバリとこなしており、息子として遠くで見守っている、という感じでした。私は、就職して4年目。仕事を覚えておもしろくなってきたところでした。結婚もし、公私ともに充実していた時です。

この頃から、実家の母から度々電話がかかってくるようになったんです。母は深刻そうな声で父の話題を切り出すんです。「最近お父さんなぁ、具合が悪くて…」。それを何回も何回もかけてくるんです。執拗に(笑)。今思えば、作戦やったんですが、当時の私は気づかずに、ちょくちょく実家へ父の様子を見に行くようになりました。ちょっとしんどそうにしている時もあって、「そろそろ実家に帰らなあかんのか…」と、30才を前に考え始めるようになりました。

知らないことを人に聞いて教えてもらえるのは30才がラストチャンスやろな、と思いました。

そうは言っても、すんなり戻って後を継ぐ、というわけにもいきませんでした。建築業に関しては全くの素人で、釘1本叩けるわけでもなく、全くの畑違いの職場にこの年令から飛び込めるんだろうかと思い悩みました。悩んだ末に、頭をよぎったのは、「この年令がラストチャンスやろな」ということでした。「すんません、教えてください」って人に聞けるのはここがギリギリ。40才では変なプライドが邪魔して教えを乞うこともできないだろうし、教える側にも気を遣わせる。決めるのは今しかない、と思いました。

新たな決意を胸に谷元工務店に戻ってきました。

さて、いざ帰ってきたら父は元気いっぱいでピンピンしてました。「はぁ、やられた…」って感じでした…。でも、後悔はしませんでした。帰ってくるまでにさんざん悩んで自分で出した結論ですので、今では背中をぽん、と押してくれた、良いきっかけとなったと思っています。

  • 「序章」家を継ぐつもり…。しかし…。
  • 「三章」困難な毎日
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